水産養殖業者は、革新的なテクノロジーで水産養殖業の最大の課題を克服し、わずか2日で、データドリブンかつ持続可能で収益性の高い水産養殖の新時代に向けて舵を切ることができます。
ビジネスのデジタル化は、海洋産業においても予測不能で急速に変化する環境に対するレジリエンスを高め、将来に備えることに貢献します。また、海洋の脱炭素化や海洋の健全性向上に大きく貢献することは、食糧生産や再生可能エネルギー、気候変動といった人類の差し迫った問題への解決策にもつながります。
Cognizant® Ocean グローバルヘッドであるStig Martin Fiskåは次のように述べています。
「海洋産業のクライアントの全社的なシステムレベルの変革をご支援していく上で、このTidalとの重要な協業体制を大いに歓迎したいと思います」
Cognizant® Ocean グローバルヘッド
Stig Martin Fiskå
革新的な技術により、養殖業者は、より正確なバイオマスの発生予測、餌やりの最適化、魚に寄生するサケジラミ(鮭に寄生する海シラミの一種)の発生状況の把握、魚の健康状態のモニタリングを含む4つの主な分野でTidalのソリューションを活用し、大幅な改善を実現することができます。
今こそ市場導入の時
この革新的なテクノロジーは、カメラ、センサー、AI、機械学習を活用し、膨大な量のデータを収集・分析します。 このデータにより、養殖業者は、養殖の過程におけるさまざまな場面において、より適切かつ迅速な意思決定を行うことができます。レジリエントなデジタル・エコシステムを構築することで、マニュアルによるモニタリングやサイロ化されたソリューションから、デジタルによるバリューチェーン全体の管理へと移行することが可能になりました。その結果、養殖業者の意思決定プロセスが改善し、持続可能性と収益の向上につながりました。
Tidalとコグニザントは、一連のシステムによる成果を見極めるために、世界最大の養殖事業者と4年間にわたって協業してきており、技術面・商業面におけるソリューションの検証を行ってきました。システムの市場投入準備が整った今、このテクノロジーとプラットフォーム戦略を既存のシステムやカメラ技術にシームレスに統合し、顧客企業の基礎構築を迅速に行うことも現実のものにしています。48時間以内に実装することも可能です。
このテクノロジーにより、これまで知られていなかった生け簀の実態が明らかになりました。インプットからアウトプット、そしてその間にあるものまで生け簀のあらゆる側面を統合することが可能になったのです。Stig Martin Fiskåは、「Tidalが取り組む4つの主要課題領域は何年も前から複数のサプライヤーが解決しようと試みてきたものです」と強調しています。しかし、今回のテストプロジェクトにおけるTidalの成功は、養殖業者にとって全く別の大きな意味を持ちます。Fiskåは、「養殖業界が長い間夢見てきたことが現実となったのです」とコメントしています。
テクノロジーがもたらすさまざまな進歩
- 魚の成長: 魚のバイオマスを監視することで、餌付け方法、商品選別、漁獲時期に関して、信頼できるインサイトと情報に基づく持続可能な決定を下すことが可能になります。
- 魚に関するインサイト: 養殖業者が、ミリ秒単位で起こり得る主な行動的特徴から判断し、自動給餌を行えるよう支援します。養殖業者は餌の無駄を省くことでコストを大幅に削減できるだけでなく、魚の成長指数を改善して、適切な餌の量を確保し、餌による海底への影響を軽減することができます。
- 魚の健康: 魚に寄生した海シラミを早期かつリアルタイムで検出し、魚の健康状態、品質、産出量を向上させます。Tidalのソリューションは、移動性のもの、雌成虫、卵のひもを持つ雌成虫など、さまざまな形態の海シラミを効果的に識別します。また、このシステムでは、傾向分析も可能です。Tidalが、ノルウェー食品安全局(Mattilsynet)から海シラミのレベルを報告することを認められた数少ない企業のひとつであることは、特筆すべき点です。
- 環境センサー: 溶存酸素や水温などの水質をモニタリングすることで、養殖業者は魚の健康と周囲の環境との相関関係を特定することができます。
コグニザントは、この革新的なテクノロジーの統合・導入において重要な役割を果たしています。私たちは、インテリジェンスをさらに進化させ、意思決定と持続可能性の向上につなげることを目指しています。コストを削減し、効率を高め、バリューチェーン全体にテクノロジーをシームレスに統合することを目標としています。
Stig Martin Fiskåは、「私たちは、ソリューションの展開、実装と統合における顧客サポート、養殖バリューチェーン全体のネットワークとサポートなど、ソリューション関連のすべてを引き受けます」と述べています。
TidalのチーフビジネスオフィサーであるCraig Churchillは、「バリューチェーン全体の統合には48時間以上かかることもある。魔法のようにはいかない」と強調します。また、彼は、養殖業界にとって収益が最も重要であること、そして、養殖業者がキロ当たりのコストを削減し、魚にとって最適な環境を維持するための画期的なソリューションを常に探していることを認識しており、最後にこう述べています。「私たちは、賢明なビジネスマンである養殖業者の皆様に、賢明なビジネス提案を行っているのです。」
持続可能な水産養殖における複雑な課題を解決するためには、生け簀を超えて、これまでとは異なるアプローチが必要です。そのためには、動物、人間、自然など、すべてのステークホルダーを考慮する必要があります。コラボレーションでは、システム思考に基づき、包括的な視野から業界を捉えることが必要です。生け簀は養殖のバリューチェーンの一部ですが、コラボレーションでは、政府、飼料生産工場、孵化場、加工センター、小売業者、そしてコラボレーション自体が自然の生態系に与える影響も考慮しなければなりません。
Fiskåは、「さまざまなステークホルダー間の役割と相互作用を理解することで、飼料生産からサケの小売まで、または水の生態系から地域社会まで、バリューチェーン全体のどこかに介入できる機会を見つけることができます。私たちは、テクノロジーが自然、企業、そして人々にどのようなプラスの影響をもたらすことができるのかを模索しています」と述べています。