グローバルでチームを結成してソリューションを提供
―― コグニザントは具体的にどのようなテクノロジーサービスを提供していますか。また、コグニザントのビジネスにはどのような強みがありますか。
村上 コンサルティングサービスから始まり、カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)を向上させるITサービスやアプリケーションの開発、さらにはシステム運用管理に至るまで、あらゆるテクノロジーサービスソリューションをエンドツーエンドで提供しています。
例えばレガシーなITインフラをクラウドに乗せ替え、データを分析・活用するアプリケーションを開発するといったレガシーモダナイゼーションのようなITソリューションも提供していますし、企業から一部の業務を請け負うBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)事業も展開しています。
コグニザントの特長はレベルの高い技術者やリソースを集約したセンター・オブ・エクセレンス(CoE)の拠点をインドに構えていることです。日本企業のお客さまを日本から直接オンサイトで担当するコグニザントジャパンのメンバーと、オフショアのCoEがグローバルチームを結成し、お客さまの特性や要望に合わせた提案やアプリケーションのつくり込みといったソリューションを提供しています。とくに当社のグローバルチームはコミュニケーションとデリバリー能力に長けており、海外のオフショア開発でよくありがちなお客さまとのボタンの掛け違いはありません。
―― コグニザントのグローバルな実績の中から、日本企業の参考となる成功事例を紹介してください。
ハンフリーズ まず航空会社の顧客体験向上を目的に、問い合わせ応答を自動化した成功事例があります。この事例ではコグニザントのConversational AI(会話型人工知能)チームが大手航空会社と提携し、50種類以上の問い合わせに回答する仮想エージェントをつくり上げました。仮想エージェントのインテリジェントボットが問い合わせ内容の「会話」を効率良く学習し、頻度の高い問い合わせに応答することで、コンタクトセンターの負荷を大幅に軽減しています。
もう一つ、全世界に5000以上の支店を有するグローバル大手銀行のモダナイゼーションを支援した成功事例を紹介します。同行のシステムは各拠点のオンプレミス環境にあるレガシープラットフォームで稼働しており、これが新しいサービスの展開を妨げる要因になっていました。同行はこの課題を解決するとともに、コスト削減とカスタマーエクスペリエンス向上を両立させる一元化されたシステムインフラに移行したいと考えました。これに対してコグニザントは、新しい高性能デジタルプラットフォームの設計・開発・展開を支援し、窓口応答時間を短縮するなどトランザクションのパフォーマンス向上を実現しました。
これらのグローバルにおける実績は、日本企業が推進するデジタル変革にも役立つものと考えています。
「日本を元気にする企業」への発展を目指す
―― 今後、コグニザントジャパンをどのように発展させていくお考えでしょうか。
村上 日本市場におけるコグニザントのブランディングや知名度を向上させていくことも重要ですが、一番のプライオリティーはそこではありません。コグニザントのソリューションや強みを活用して「日本を元気にする企業」に発展させていくことが私の大きな目標です。それを実現できれば、コグニザントジャパンのビジネスを拡大させるといった結果は自ずとついてくると確信しています。
私が社長に就任した21年1月には、「今後5年間でコグニザントジャパンの事業規模を5倍にする」というアグレッシブな目標を立てました。いまはその目標達成に向け、デジタルソリューションの拡充やお客さまとのリレーションシップの拡大、M&Aや戦略的提携の調査など、さまざまな取り組みを進めているところです。一方で、コグニザントジャパンの社員が生き生きと働ける職場環境を整備するなど社内変革も進めています。コグニザントジャパンにぜひご期待ください。
ハンフリーズ 日本市場におけるコグニザントの未来は非常に明るいと考えています。当社のデジタルポートフォリオとデリバリーエクセレンスは強力であり、日本企業のお客さまのイニシアチブ(戦略・構想)やビジネスを十分にサポートできると確信しています。コグニザントはこれからも日本企業に寄り添い、継続的な成長の実現に向けた支援に専心することをお約束します。